チャンレンジ!

二年生の中国語

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三歳の紅ちゃんは道で転んでしまい、痛くて泣き出してしまった。お母さんがいくらあやしても泣きやまない。この時、おばあさんがやってきて、「だれがわたしたちの紅ちゃんを転ばしたの、この石が悪さしたの!」と言い、そばにあった石を拾い、思いきり地面に叩きつけた。「悪い石め!」と叫びながら地面に叩きつける。それを何度か繰り返してから、石を紅ちゃんに渡した。紅ちゃんもおばあさんを真似して、「悪い石め!」と叫びながら石を地面に叩きつけた。そのうち紅ちゃんはいつの間にか泣き止んだ。

夕食の時、紅ちゃんはうっかりスープで指をやけどしてしまい、また泣き出した。お母さんは紅ちゃんの手をさすりながら、「だれがスープをここに置いたの。ああ、お父さんだったの。お父さんが悪い!」と言い、お父さんを軽くぶった。お父さんは気を利かせてすぐに頭を抱えて「ぶたないで、私が悪かった!」と言った。そして頭を紅ちゃんに近づけてぶたせようとした。紅ちゃんは少しためらったが、大人たちの励ますような目をみて、箸でお父さんの頭を叩いた。叩いているうちにだんだん調子に乗ってきて、ついにはけらけらと笑いだした。紅ちゃんが笑うのを見て、大人たちも笑った。

しかし、おじいさんだけは笑わなかった。おじいさんは目の前の光景を見ながら心配になった。「この子が大きくなって、なにか過ちを犯したとき、だれに怒りをぶつければ良いのか」と。